目がなおる泉 妙見神社 (聖なる泉にもう一度)
2012年 03月 05日
今日は、先日の正法寺の続き、大生院の神社をご紹介します。
大生院は、古代、秦氏がやってきた場所の一つと言われています。
前回お話したお寺は、新居浜の一宮神社の神職矢野家の一人、上仙人が開基したお寺でした。
前回のお話をまだ読んでいない方は、よかったらそちらを先にお読みください。
秦氏の里 石鉄山往生院 「正法寺」
正法寺は、小高い山の麓にあります。
ここ大生院は、国道11号線から少し山の方へ入ったところにあたりますが、古代、この辺りはこの国道付近まで海だったといわれています。
当時秦氏が住んでいたこの辺りは、海からそう離れていないところだったのではないかと思います。
秦氏は、この正法寺がある山を中心に生活をしていたと考えられています。
しかし、天智天皇が亡くなる頃、賀茂族により秦氏は衰退していき、また取り込まれていきました。
今日ご紹介する神社は、秦氏が祀っていたであろう瀬織津姫のもう一つの姿です。
西条における秦氏の山、お寺の反対側の麓にその神社はあります。
「妙見神社」
妙見神社は以前、松山のところでお話をさせていただきました。
北斗信仰である妙見大菩薩とは、瀬織津姫のことです。
妙見大菩薩については、 こちらの記事をご覧ください。
星信仰の妙見大菩薩と姫 「松山市 明見神社」
妙見大菩薩の全てが、瀬織津姫ということはないかもしれませんが、ここ大生院に祭られる
妙見大菩薩は、本来秦氏が祀っていた瀬織津姫のその御神徳のみを後世に受け継ごうとした神社ではないかと私は思います。
ここに祀られる妙見大菩薩は
「菊理姫命」 あの白山に祀られる姫、瀬織津姫が仏により封印された山に祀られる姫神です。
古事記の中で、 黄泉の国へとイザナミに会いに行ったイザナギがその姿を見て、逃げ帰った時、二人は口論になり、その口論をおさめ仲直りをさせた女神として出てくる姫神が、菊理姫命です。
縁結びの神としても祀られる女神さまですが、
ここ大生院に祀られる 菊理姫命は、
「眼病平癒の神」 として崇敬されていました。
昔この地の小野某に神憑りがあって、地中より神鏡を掘り出しこの鏡を厚くおまつりするならば人々の眼病を治す」 というお告げがありました。
その後、社殿をお造りしたところ人々の祈りに対して霊験があり、
それ以来、眼病平癒の神として崇敬されているといいます。
古い言い伝えでは、文政六年に船屋(玉津村)の長七の娘「タケ」が八歳のとき、眼病にかかり、神仏に願をかけ朝、夕お祈りをしていたところ、
ある夜、正木(妙見神社周辺の地名)に鎮座している妙見宮にお願いをしなさいと
夢の中にお告げがあり、朝夕一心に妙見宮にお参りをしたところ、
七日目の朝に顔を洗っていると目の痛みがとれ目の病気がなおり、親子は妙見宮に感謝し、そのときの記録を
神社におさめたという話が残っているそうです。
また、本殿の脇には、今も目の病気がなおるという泉があります。
目の病気がなおるという泉。
この泉もまた、瀬織津姫の泉です。
なぜなら、姫の泉は病気をもなおす、再生の水だからです。
そして、私はこのお話を見て思ったことがあります。
それは、
「目がなおる」 ということです。
現代の人の考えだと 「目がなおる」 とは、 目の病気がなおると考えるでしょう。
でも、私が考える 「目がなおる」 とは、
「見えなくなってしまったものが見える。」
それは、目が悪くて見えなくなってしまったのではなく、 心が闇に覆われ本当に正しいものが見えなくなったこと、また、一つの神が消え、その代わりに新たな神が生まれ、嘘で覆われた世の中で、
何も知らず、何もわからず、何も見えず生きている人々へ
本来の姿、本当の歴史、消された女神の存在を伝えたかったのではないかと思うのです。
それは、姫の聖なる泉を目に当てることで、真の姿を見ることができる。と願い、ここにこの伝承を残したのではないかと思うのです。
生きのび、後の世になんらかの形で残そうと思った秦氏の子孫が、
大和に気付かれることなく神を祀る方法は、こんな方法しかなかったのかもしれません。
この泉、この伝承が、
誰にも言うことのできない、内なる声を表しているように、私には思えました。
拝殿
本殿
そして、聖なる泉
皆さんは、何のために仕事をしますか?
昨日だったか、一昨日だったか、テレビのインタビューで多くの人たちが言っていた言葉が、私の心にひっかかりました。
橋本市長が、理想としている政策の中に、
全ての人に、最低限度の生活ができるためのお金を渡すというものでした。
もちろん、これには多くの問題を抱えていて、単にそのまま行うことができないと思います。
でも、この政策に対してどう思いますかという質問を投げかけたところ、
そのほとんど人が、
「仕事をする意欲がなくなり、経済が発展しなくなる」 と答えました。
私は、この言葉が妙に心にひっかかりました。
「仕事とは、何のためにするものなの?」
確かに、今の時代 お金がなければ食べることができず、住むこともできない。
お金を少しでも稼いで、裕福な生活をしたい。
子供を学校にも行かせたい。 学校にいかなければ、就職もできない。
全てが、お金のため。
だから、そのお金をもうけるために働く。
これが今の世の中です。
でも、本当に仕事とはお金もうけのためにするものなのでしょうか。
私は、この根本的考えが、長い間の歴史で埋め込まれた過ちではないかと思うのです。
会社は、何のために利益を上げようとするのですか?
会社を大きくするためですか?
かつて、松下幸之助さんは、会社のために働くのでも、自分のために働くのでもないといいました。
みんなが幸せな生活をおくるために、働くのだと。
私は、今の世の中は、この気持ちを持つ人が本当にいなくなってしまったのではないかと思います。
人間は、「命」 を頂いたとき、一人一人に使命を与えられると考えられていました。
使命とは、お金を稼ぐために働くことでも、自分が贅沢に暮らすために働くことでもないはずです。
しかし、きっとこんな声も返ってくるでしょう。
一生懸命頑張るのだから、人より裕福になって当たり前。 沢山働いた人が、沢山お金をもらい、幸せに暮らせるのがあたりまえ。
そうなりたければ、自分も働けばいいのだと。。。。。
本当にそうなのでしょうか。
従業員は、少しでも裕福な生活がしたいからと、お金のために働く。
しかし、会社は、もっと会社を大きくしたいために働かそうとする。
会社の社長も、同じようにお金をもうけたいから、人件費を削減し、会社を大きくすることを考える。
人それぞれ収入は違っていても、根本的な考え方はみんな同じなのではないでしょうか。
その考え方は子供の頃からうえつけられ、それについていけなかった子供たちは、また親がお金がなくて十分に学べなかった多くの子供たちは、働く場所を失う。
全ては、一人一人の根本的考え方に問題があるように思えてなりません。
だからと言って、お米を税金として国に納めることを義務付けられた、1300年前から、つくられたこの社会システムや、人間の考え方がすぐに変わるものではないかもしれません。
でも、そろそろ、その社会システムも限界。
少しづつ、人はなぜ生きるのか、人はなぜ働くのか。
何のためにここに生まれてきたのかを、原点に返って見つめなおす時期がきているのではないでしょうか。
先日突然思いついて買った本。
今、フランスのヤン・ブレキリアンが書いた、「ケルト神話」 の本を読んでいます。
今日、読んだその中の一文を
少しだけ引用させていただきます。
「全ては崩壊しつつある。われわれが生き延びることを望むなら、全てを再考し、全てを造り直さなければならない。
幸いなことに、もはや誰も政治的、経済的、科学的神話を信じる者はいない。
これらの神話によってわれわれ以前の世代は鼻面を引き回されていた。
人間はこうした神話によって、国家の利益と生産性の奴隷に、自然はごみすてばに、そして平和は核分裂の悪臭漂う不安にみちた戦争前夜へと変えられてしまったのだ。
だがしかし、われわれは今代わりに何を置こうというのか。
もしわれわれが本源に立ち帰ることを知らなければ、病気よりも有害な薬しか考えつけはしいないだろう。 」
「宗教として神話を復活させようとしているのではない。
問題はそこから、歪められていない本来的な物の見方を汲み取ることなのである。」
瀬織津姫のふるさととも言える 一つの神話 「ケルト神話」
ケルト神話を読み解こうとしているこの著者の気持ちが、私の今の気持ちと重なります。
瀬織津姫のことを知りたいと思う気持ちは、
瀬織津姫のことをこんなにも強く知りたいと思いどんどん引き込まれていったのは、
ずっと前から私の中にあった、今の世の中に対する矛盾、今の世の中の何かが間違っているとずっと思っていたものが、瀬織津姫を知ることで、見えてきたからかもしれません。
すぐに全てを変えることはできないかもしれません。
でも、子供たちや、これから生まれてくる命のために、今私にできることは、こうして伝え続けることかもしれないと今日この本を読んで強く思いました。
ほんの少しでも変わっていくために。。。。。。
そしてそれが、いつか大きな渦となり、渦の中から新しい世界が生まれる日がくるように。
私たちは今、瀬織津姫の聖なる泉、再生の泉に、浸らなければいけない時なのかもしれません。
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