一宮神社の狸
2017年 05月 15日
本当に日がたつのは早いな。と思う今日この頃…。
今年のゴールデンウィークは、久しぶりに仕事はなく、あちこちの山や神社やお寺に行ってきました。
山の中に入ると、とても静かで鳥の鳴き声や木々が揺れる音しか聞こえないので、とても気持ちが安らぎます。
やっぱり、人は自然の中に入らないといけないなと、改めて思ったゴールデンウイークでした。
今日は、新居浜市の一宮神社。
祭神は、大山積神。
推古天皇の御代に、越智益躬が造営したと伝わる神社です。
飛鳥から奈良時代に移る時の重要な神社の一社でもあります。
神社の境内には大きな楠があり、ここには有名な狸の伝説があります。
“小女郎狸”。
四国は狸の伝説が多く、有名な狸がたくさんいます。
その中でも、伊予の狸族の名門と呼ばれる、小女郎狸は、一説には、壬生川の喜左衛門狸・屋島の禿狸を兄に持つ、三兄妹の末妹とされています。
生まれつき神童で、7、8歳の時、多くの狸の中から選ばれ一宮神社の神使になりました。
そして、この楠の木に住居を定められました。
そして一生懸命勉強をした小女郎狸は、新居浜一の狸になったのです。
更に、慈眼寺の和尚を敬愛し、その学術を学び神仏両道の狸になりました。
しかしそのうち、大阪や京都や奈良に行って修行がしたくなり、とうとう慈眼寺の和尚に化けて大阪に向かう船に乗ってしまいました。
最初は上手く化けていたのですが、大好物の鯛を食べてしまい、寝ている間に狸の姿に戻ってしまい見つかってしまいました。
たぬき汁にされる所でしたが、本物の慈眼寺の和尚が、別船に乗り合わせて助けてくれました。
その後無事大阪に着くことができ、多くの善行をし、一宮神社に帰ってきたと言います。
しかし、大阪で葛葉の森に行ったという説もあるのです。
葛葉とは、安倍晴明の母の名前。白狐ですね。
ここに繋がる小女郎狸とは…
そのキーワードがしめす意味は、一般的な解釈では見ることはできなくて、その奥深くにある物が見えなければつながることができません。
伝説や伝承とは、そのほとんどがその物語そのものでは、本当の意味を知ることができない。
たくさんのパズルのピースを見つけ出さなければ、そこに繋がることはない。
時間はかかるかもしれないけど、一つひとつ見つけていくしかないと時が経つほど感じます。
それはまるで、この大きな楠の木の根のように、長い年月をかけて張り巡らされた根を一つひとつ辿っていくかのようです。